失礼ながら熊本に来るまで聞いたこともない名前だった。だがまわりの熊本県民はみな知っている。子どもの頃からその名を耳にしてきたという。
国宝指定が6月23日に答申された「通潤橋」(熊本県山都町)を企画立案から工事完了まで導いた布田保之助(1801~1873)だ。
布田は江戸末期の1833(天保4)年から約30年にわたって、橋がある矢部地域の惣庄屋(現在の町長)を務めた。
県教育委員会が作成する小学3、4年向けの道徳教育用副読本「くまもとの心」には、郷土が生んだ偉人の一人として4ページにわたって紹介されている。
「布田保之助の心」というタイトルで、布田が水に困っている村人を救うため、谷に囲まれた台地に水を渡す通潤橋の工事にあたったことが書かれている。
2012年に改訂された副読本は県内の全市町村立の小学校に計約4万部配布され、現在も多くの生徒が読み聞かせや道徳の授業で学んでいるという。
山都町教育委員会によると…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル